コラム

『情報漏えい事故による損害賠償の実例』

『情報漏えい事故による損害賠償の実例』

サイバー保険の案内をしている中で「どのくらいの損害があるのか?」という質問はお客様から必ず聞かれます。

想定される損害金額をもとに保険を検討するのは当然のことですが、サイバー攻撃や情報漏えいによる損害賠償の事例はあまり公にされておらず、企業の特定にも繋がるため開示できないこともあり回答に困ることがあります。

今回はこちらのコラムでも紹介した尼崎市のUSBメモリー紛失事案において、市が具体的な損害賠償金額を公表したため見ていきたいと思います。

~尼崎市USBメモリー紛失事案について~

令和4年6月、尼崎市の住民税非課税世帯に対する臨時給付金支給事務の受託者であるBIPROGY株式会社の関係社員が作業のために必要なデータを記録したUSBメモリーをかばんへ入れて持ち出したところ、帰宅途中にかばんを紛失した。USBメモリーには全市民の住民基本台帳の情報(46万517人分)や住民税に関わる税情報(36万573件)などが記録されていた。

~BIPROGY社に対する損害賠償請求について(令和5年6月9日発表)~

尼崎市は顧問弁護士へ相談のもと、BIPROGY社に対して下記の通り損害賠償請求を行った。

有形損害 29,501,005円

【内訳】

・市報あまがさき臨時号発行に伴う事務経費       2,641,188円

・尼崎市USBメモリー紛失事案調査委員会に要した経費   24,807,534円

・本件事案に伴う本市職員の時間外勤務手当       2,052,283円

無形損害

法人である地方公共団体の無形損害については明確な基準がないため損害額の算定は極めて困難である。

地方公共団体の社会的評価は種々の要因によって大きく左右されるものであり、USBメモリーの紛失のみをもって無形損害があったとすることは極めて難しい。

~サイバー保険の必要性~

今回1つのUSBメモリー紛失によって約3000万の損害賠償請求がされました。

以前よりテレワークなども増え、パソコン、SDカード、USBメモリー、スマホなど情報端末を外部に持ち出す機会は増加しています。紛失事故を100%防ぐことはできるでしょうか?3000万の賠償に対して会社は存続していけるでしょうか?その後の業務に影響はないでしょうか?    

年間数万円から加入できるサイバー保険の保険料は高いでしょうか?

一度考えてみてください。

サイバーセキュリティ保険のご案内

PAGE TOP